あそび場づくりは未来づくり ~理事長いまむらコラム~
年4回お届けします、理事長いまむらコラム
「あそび場づくりは未来づくり」
2023年がスタートしました。終わりの見えない新型コロナ、ウクライナ侵攻、気候変動、物価高騰、政治の無力化…、悩み多き時代に今年はどんなニュースが書き加えられていくのでしょうか。年の初め、皆さんはどんなことを願いましたか?
2020年春の一斉休校に始まり、その後の学校生活の制限や、ありとあらゆるコロナ禍の制約は、子どもたちの友だちとの関係づくりや成長の機会を奪い、子どもの心に深い影を落とし続けています。
「集中できない」「イライラする」というストレス反応に始まって、摂食障害やうつ症状は急増。児童精神科はどこも対応に追われているようです。2020年の小中高生の自殺者数は、統計の残る1980年以降で最多。21年度は、小中学生の不登校が24万人で過去最多。
子どもからのSOSはかつてないほどに緊迫した状況にあります。
そうした状況を受けて、日頃から子どもや子育てに向き合っている私たちが、今できることは何か?
まずは、〈子どもたちが、自分らしく、のびのびと過ごせる場所を増やしていく〉。「やらされる」ではなく、自分自身の内面から「やってみたい!」ことを思う存分にやりきる体験と、それを可能にする場が切実に求められていると感じています。
「やりたい!」に始まる自分自身の物語をつくれるか否か?できたかどうか?の「結果」ではなく、「挑戦するプロセス」を重視する大人の見守りが肝要です。
自分のやりたいことに挑戦するチャンスがどれだけあるか、その環境が子どもたちの生きる力を左右するのではないかと考えています。
【あしあとの森】の活動は、あそび×多世代のコミュニティーを実現するために、〈森づくり〉という帯広の地域課題の解決も視野に入れて、取り組んでいる活動です。
子どものあそび場ではあるけれど、子どもを中心とした多世代のコミュニティーだと、なお魅力的です。
学校や学年を超えた継続的な子ども同士のつながりは、夏冬の小学生以上のお泊まり会や、高学年以上のキャンプ、子供連合協議会CU、土曜あそび場しゃべり場など。
今後はますます、参加した子どもや親たちの声を、広く発信していきたいです。
同じ方法で、同じ成果を求める同質性の高い学校教育を見直していくこと。
一人一人の子どもの個性や特性を尊重できる場、あそびの空間を生活の中にふんだんに取り入れること。子どもたちの息の詰まるような状況を少しづつでも変えていくために、多様なアイデンティティーの人たちと一緒に、できるところから楽しみながら活動していきたいと思います。