今を生きる子どもたちへ ~理事長いまむらチャンネル~
今年の夏の異常な暑さは、温暖化の危機が、これほどまでに差し迫った問題だということを私たちに知らしめました。
現在、地球温暖化は観測史上最も急速に進行しているといわれ、平均気温の上昇、海水温の上昇、生態系への影響は加速度的に進行しています。
どれだけ電気を使うか、どのように移動するか、何を食べるか、どれほどモノを捨てるか、衣服、電子機器、プラスチック製品などの商品の消費もすべて温室効果ガスの排出に影響します。世界の温室効果ガス排出の大部分は、人々の暮らしと密接に関連しています。
このような地球規模の気候変動や、AI(人工知能)の進化、今なお続く戦争や紛争、新型コロナ等の新たな感染症との闘いなど、私たちの未来は「予測が難しい不確実な時代」です。
この状況の中で、君たちは自分自身の人生をどう生きるか?
今、これまで生きてきた大人たちのモノサシでは測れないような、学校で学ぶ知識だけでは生き抜けないような、新たな価値を創造する力が求められています。
そのためには、遊びや生活の中で、自分の頭で考えて、自分で選んだり決めたりすることが重要ですし、自分のペースで遊んだり学んだりする時間を持つことがとても大切です。
正解のない問いに向き合い、粘り強くやり抜く経験が、この先自分自身を支える力になってくると思います。
ぷれいおんの活動の中でも、誰かの指示を待つのではなく、一人一人の個性が尊重され、主体的にやってみたいことに挑戦できるような場を創っていきたいです。
時代の転換期にあって、同質性が高く、一律に学力などの成果を求められ評価される学校に居場所を失う子どもたちが増え続けています。
今を生きる子どもたちにとって、学校が変わるまでの時間をただ待ち続けることはできません。
幼児期の親子の活動、放課後の活動、平日のフリースペースなどは、私たちの手で創意工夫ができる余地がたくさん残されています。
居場所を失い、自信を無くした子どもたちが、まずは安心できる場所に出会って欲しい。そうすれば、身の周りにいる人たちとつながれる、仲良くなれるきっかけが一つ一つ見つかって、誰かと一緒に過ごす時間に喜びを感じられるのでは?
そうして、自分の好きなこと、得意なことを認めてもらえたら、ちょっぴり自信が湧いてくるでしょう。
育ちが思わしくない植物は、土を入れ替え環境を変えてやることで根が丈夫に育ち、ぐんと元気を取り戻したりするものです。
子どもたちの学びの場も一つじゃない、いろいろな育ち方があっていいと思うのです。今つまづいていたとしても、決して悲嘆することはありません。
痛みや苦しみを味わった経験も、ポジティブに生きる力に変換できる時が来るでしょう。
まずは「こんな自分も悪くないな」と自分自身を大切に思えるようになってくれたら、そこからはもう前を向いて世界に向き合っていけるのではないかな?
子どもたちの多様な在り方を受け止められる場をつくること、それは今とても大切な活動の一つだと思えています。
理事長 いまむらみずほ