理事長いまむらコラム ~新しい年に願うこと AI・ことば・思考 

投稿日:2024 年 1 月 29 日(月) | |

新しい年に願うこと ~AI・ことば・思考

年明け早々、能登半島の大地震、羽田空港の衝突事故と続き、止まないパレスチナガザ地区の紛争やロシアのウクライナ侵攻とも重なって、平穏な一日一日の尊さを改めて痛感しています。一日も早く被災地の方々が心穏やかに過ごせるように、この世界から憎しみあいや殺しあいの連鎖がなくなるように祈るばかりです。そして、どんなときも自分事として今何ができるのかを考え、対話し共感し合いながら活動を進めていきたいと願っています。

さて、そんな中、今ぷれいおんの子どもたちが、ラジオ番組のスタジオに出かけ、おしゃべりしています。〈ぷれいおんの好きなところ、楽しいところ〉のお題に、Kちゃん、Iちゃんが、自信を持って堂々と自分の言葉でおしゃべりしています。

体験を通して培われる語彙力・言葉のちからは、AIが紡ぎ出す言葉とは決定的に異なるといいます。

AIは、蓄積された膨大なデータからパターンを探し予測する統計推論なので、発想を転換したり、独創的なアイデアを生み出したり、相手の心を読む「マインドリーディング」もできないという特徴があります。どうやら人工知能AIは、人間が身体を使って、他者と触れ合って知能を発達させ、言葉を紡いでいくメカニズムとは全く異質なようです。

この頃私は、ヒトの「体験を通じて、体を通して生み出される言葉」について、興味深く探究しています。<体験したことを書いたり話したりアウトプットすることで、身体的に学ぶ>という言語表出のプロセスでは、表現するための言葉が徐々に磨かれ、思考が深められていく。同時に想像力や他者への思いやりなどの非認知的な能力も高められていく。子どもの発達を考える上でとても重要な視点ですね。

社会的な地位や名誉とは無関係に、人が発する言葉の軽重は、その人の生き様を映しているように感じます。独断ですが、昨今の為政者の言葉に威厳や説得力が皆無なのは、他者への想像力や共感力が圧倒的に欠如しているせいではないかしら?

それに比べて先ほどのKちゃんIちゃんのはつらつとした生命力あふれる言葉の一つ一つは、キラキラと輝いてみえるようです。仲間と夢中であそび、多様な関係性の中で育ち合ってきた子どもは、ことばを育み、他者と共感できる資質を豊かに築いていくに違いありません。

人工知能AIの限界を理解しながら、AIを道具として社会的に有用に使いこなすためには、高度な思考力や判断力を必要とします。道具に使われて社会を危険な方向性に向かわせないために、人間にしかできない認知発達によって物事の本質を捉えられる力を養うことが求められています。学齢期からやみくもにチャットGPTの操作を覚えるよりも、群れの中でとことんあそんだり、失敗を恐れず挑戦することがいかに大事か。

今、ますます人とのつながりが希薄化する社会の中で、対話や共感を経てみんなが力を出し合い、幸福感を味わえるぷれいおんの活動は本当に美しい!と感じています。

活動の目的や意味を理解し、協力しあって活動を形づくっていくこと。今年も、会員ひとり一人の持ち味を持ち寄り、楽しみながら進んでいきたいと思います。

皆さま、本年もどうぞよろしくお願い致します。

理事長 いまむらみずほ

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